ホワイトカラーの品質管理向上ー改善範囲の順番

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ホワイトカラーの品質管理は三つに分かれます。

1)流出防止のための暫定対策

2)源流対策

3)そして、予防未然対策

品質管理対策は順次上流にさかのぼっていくのが基本です。

1)流出防止のための暫定対策

まず一段階目は上司によるチェック。これは流出防止の暫定対策です。自分のテリトリー外へ出す資料は当然上司が事前に目を通します。でもこれがいつまでも続くと社員は成長しません。しかしながら、これが暫定的な対策であることを理解している人は少ないでしょう。常にチェックして、提出する、「これでいいと思ってはいけない」のです。

では、どうしたら、ノーチェックできるのか、条件を書き出してみましょう。

  • プレゼン・説明資料がわかりやすい
  • 数字の根拠がはっきりしている。
  • 説明方法が、起承転結・QCストーリー・要点がまとまってる、

等々会社の中の立場・持ち場によって条件はかわるでしょう。その視点は明確に、部下達に伝えなくてはいけません。そして初めて、暫定対策である「上司チェック」を外せるようになります。

2)源流対策

これは実は、ある上司のカバー範囲ではないです。各課・部・事業所等々の単位で、上司がチェックした上で、資料や提案がそろってくると思いますが、合成してみると、どうも言ってることが合わない、ということはよくあります。中国の各省の数字を合わせると全体にならない、ということはよく知られた事例です。

理由は簡単で、前提がすこしづつ違う、カバー範囲が少しづつ違う、漏れてるものをカウントしてなかったり、逆にダブるカウントになっていたり、それぞれにとっては塵も積もればの話でも、全体で合わせるとなかなかの数字だったり、内容だったりします。

経理をやったことがある人なら、よくわかる話だと思います。全部署の言い分を確かめても誰も嘘を言ってるようには見えない。でも、結果としては「悪い品質」の情報となってることはよくあるのです。

合計すると大きな差異になる。大人の事情としてみなさん目を瞑ってますよね。まずは課題が起きるまで、待ちましょう。経理とか、抜本的に間違えることを許されない部隊が声を上げる必要があります。それゆえ、上位者にはインプットしておく必要はあります。

それをトリガーにして、関係する部署から混成チームを編成し、課題解決に挑む。それを繰り返して、二度と起こらないようにする。なにしろみんなが自分は正しいと信じているから、どうしても大がかりな話になってしまいますし、時間も人も課題解決にはかかります。社長とか、部門横断的な話を解くためにはそれなりの人のポジションパワーも要ります。

具体的な方法は、ルーチン業務の解き方と同じですが、範囲が広いので、一番最初に課題の範囲を絞る必要があります。そして大抵の原因は部門間や担当間で情報をやりとりする際のささいな定義違いや、そもそもの情報が違ってた、なんてつまらないものになってしまいます。

そうなると上位者は怒ってしまいますが、そうなる前に、どこのタイミングでそういう課題に着手するか、がホワイトカラー管理職の高級を得ているゆえんです。

3)予防対策

本来、2)のような課題をいくつか解いてくると、傾向はでてきますが、普通は隠しまくるのが世の常です。事前に事をあらだてるのが嫌いな日本人社会では、予防対策というのは一番浸透しづらい話です。

この予防対策に進む前に、コミュニケーション改善や、マインドセット改善を進めることをまずはお勧めします。

それが終わって、社員の多くが「予防したい」というマインドになっていたなら、「予防したい案件」をリスト化し、同じく対策案をルール化していく、というのが解となります。

一方でこれは諸刃の剣ののところがあり、業務をガチガチに固めていく、という手法になります。

ガチガチな業務となると、実はほとんど人がやるべき作業は無くなっていきますし、むしろロボットとか、プログラムにやらせた方がよいでしょう。

そういうものをERPシステムといいます。この段階までいくとシステム化を検討化していくことをお勧めします。

4)改善範囲の順番

ここまで読み進めていただいた方には、理解していると思いますが、まずはそれぞれの部・課・グループ単位でのここの品質チェック体制の浸透(暫定対策外し)。

その次に、全体の整合性のチェック(源流対策)

その次に、時間軸上の整合性のチェック(予防対策)

と実は改善範囲には順番があります。この順番を間違えると、実は改善しているようで、大きなミス(部分最適)に陥る可能性があります。

一部分の品質課題をきっかけにガチガチに二度と起こらないような事をいれるのは、実は大きく別の非効率さを起こしてしまう可能性すらあります。ホワイトカラーの生産性を考える際に、是非とも考えておいてほしい視点です。

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